スイング軌道だけではスイングの良し悪しはわかるのか？

正しいのスイング軌道とは？

近年、「スイングプレーン」や「スイング軌道」を気にするアマチュアの方が非常に増えてきました。

スイングプレーンとは、後方から見たときにクラブが辿る斜めの軌道のことを言い、これが一定の範囲を通っていればいいスイングだとする通説が広まっています。

ただ、実際にそれだけでスイングの良し悪しはわかるのでしょうか？

一般的に言われている正しいスイング軌道とは、構えたときのシャフトの線と、ボールと首を結んだ線のあいだにトップの位置が収まっていればいいというものです。ただ、こればかりを意識するのはアマチュアにとって非常に危険です。

プロでも範囲内に収まらない人がいる

スイング軌道というのは、あくまでその他多くの要因から生まれた結果です。例えばプロと同じ位置にテイクバックを取ろうとしても、それ以前になぜプロと自分とではテイクバックの位置にズレが生じているのかを考える必要があります。ただ、ここでスイングプレーンを意識しすぎると、今度は小手先でそれを調整しようとして、意味もないのにトップの位置で無理やり手首に力を入れてその範囲に収めようとします。

事実、プロでもこの範囲より上からスイングしている人もいれば、逆に下からスイングしている人もいます。さらに、そのときに打ちたい球によってもこのスイングプレーンは大きく変わるので、「範囲内に収まっているのがすべていいスイングで、それ以外は直した方がいい」という考え方はまず捨てましょう。

もし本当にスイングプレーンからスイングを直そうというのなら、スイングプレーンがズレる原因はどこにあるのか、それは直すべきズレなのかどうかといったことを考えるのが筋です。ただ、そんなことは結局のところスイングプレーンなど見なくてもボールに現れるので、スイングプレーンは「大体範囲内に収まっていれば大丈夫」程度に考えましょう。

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植村 啓太

１６歳からゴルフを始め、その後２３歳の若さでツアープロと契約し、ツアープロコーチとしてデビュー。大場美智恵プロや服部道子プロをはじめ、現在まで多くのツアープロのコーチを担当する。２００５年には自身が主宰する「K's Island Golf Academy」をオープンし、多くのアマチュアの指導にあたる。ゴルフ誌、ゴルフ番組をはじめ、幅広いメディアに出演し、ゴルフの魅力を伝えるとともに、インストラクターの育成にも力を注いでいる。

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